環研究圏擬装網

北海道の大地で研究と趣味に勤しむへっぽこの備忘録。

ヒメジ、あるいは

お久しぶりです。実家に帰っていろいろ休んでおりましたので、更新をしばらくしていませんでした…… 実際のところ、このブログを書くにあたって様々な文献を読みつつ書かなくてはならないために、後から見たときの内容の薄さに比べて書くための労力が思いのほ…

何も見えねェ

私の研究では、種同定や分類やらのために脊椎骨を数えることがある。脊椎骨を数えるといっても、まさか貴重な標本を解剖してみるわけにもいかないので畢竟X線写真、つまりレントゲン写真を撮影することとなる。 ヒメジUpeneus japonicus (Houttuyn, 1782)。…

8/24 ジムバトルについて

このブログでは初公開になるが、私は今年の1月ごろからポケモンカードゲームというTCGをプレイしている。理由は至極単純で、カードゲームがもともと好きだったことと、当時のレギュレーションが変更されたタイミングであったためである。今でこそポケモンカ…

ツキミシビレエイと私たち

突然だが皆さんはツキミシビレエイTetronarce formosa (Haas and Ebert,2006) をご存じだろうか? 本種はヤマトシビレエイ属Tetronarce に分類される軟骨魚類である。本属は近年までTorpedo の亜属とされてきたが、2013年に属に変更されている。Torpedo は和…

深海暮らしのアリエッティ

スタジオジブリ制作の作品「借りぐらしのアリエッティ」は比較的有名な作品であり、多くの人に「アリエッティ」というと小人の話だと分かってもらえる(多分)。それが海外でも同じなのかは分からないが、2020年に新種記載されたこのアカグツ科フウリュウウオ…

【備忘録】フグ類の学名と国際動物命名規約

そろそろ院試も近づいてきた。私の希望する研究室は分類学が主なため、おのずと院試の勉強はそれらに傾倒する形となる。つまり研究に関わる調べ物をしている今まさに勉強の真っ最中というわけだ。この勉強中あるいは研究中にふと見つけた事例を基に、学名に…

スギの面白さ

先日、スギの標本の観察を行った。スギというのはあの針葉樹の杉ではなく、スギ科Rachycentridaeスギ属Rachycentronを一種のみで構成するスギRachycentron canadumである。今回観察した個体は標準体長SL33.4cmの小型個体であったが、すでに尾鰭の後端が湾入…

Porocottus属について

他の魚類分類学的な話をされているブログで見かけた記事の備忘録的な話。 日本には、というより主に北海道に生息するPorocottus属という分類群のカジカ上科の魚類がいるのだが、その属の和名はクロカジカ属というらしい【例えば日本産魚類検索図鑑第3版(2013…

ハマトビウオ属についての所感 ウケグチトビウオとオオメナツトビについて

先日から標本を見ているが、そのうちトビウオの標本が現在最も悩みの種として私を苦しめている。 トビウオ類はダツ目Beloniformesトビウオ科Exocoetidaeに分類される硬骨魚類であり、California Academy of Sciencesのカタログでは世界に7属75種が有効種とし…

研究日誌もどき

思い立ったので、今日から研究を通して気づいたことや分かったことについて書く習慣をつける。飽きたらやめるだろうし、面倒に感じたらやめるだろう。